セラ改造指南道場 13章 外装のススメ1


外装、つまりクルマの外見(そとみ)です。イジ(維持)るとなると、やはりエアロパーツの取り付けや各種の社外パーツ、または純正部品の交換となりますが、そこはやはり稀少車兼旧車。エアロも少なければ純正パーツの供給すらあやしくなってきています。とりあえずココでは選択肢のご紹介など、セラの外装をいじる手段についてつらつらと述べます。どうしてもデザインについて言及しますが、そこは個人的主観。写真が出ているところはそれを見て「あ〜こういうものなのね」と思っていただき、文章については流し読み程度で、あまり真剣に「いやその考え方は違う」とか思わないでくださいませ。こことあわせてパーツリストのページもご覧下さい。



1.フロントバンパー
セラの歴史の中でフロントバンパーは純正ノーマルを含めて5種類が存在します。社外バンパーはいわゆる「エアロ」の最たるモノで、カッコイイ車をつくりあげるのに避けては通れない、また真っ先に取り掛かることになるであろう部分です。選択肢が少ないことから、自分で好きな顔を作っちゃおうというDIY例もいくつかみたことがありますが、それはそれです。
純正ノーマルはともかくとして、4種類の「製品としての」エアロバンパーを紹介します。


1−1.ビックワン製「Shootingstar」フロントエアロバンパー(オガパー)

まず、なくなってしまったものからいきましょう。ビックワンのバンパーです。個人的にはグッとくるデザインでして、それも無くなってから急に気に入って(悪い癖?)欲しくなっちゃいました。なんとか入手できましたが…。
前方から見てハの字型を形成し、横方向に流れるイメージを持たせています。同時に中央部は大開口とし、奥行きもありますからターボ化の際の前置ICにも対応します。ウインカーは90系マークII後期型を流用し、横へ流れるイメージに合わせています。このウインカーは最初からクリア調なので、あの橙色がイヤという方も満足できるでしょう。小型のフォグはウインカー横の穴に、横長の通常タイプならナンバーのすぐ横に取り付けが可能です。低さもペッタペタ万歳な設計ではなく、ちょうどフロントのマッドガードと同じになります。よく考えられていると思いますね。
以下独り言ですが、このエラ部分がなんかモエを感じさせませんか?ブレザーのボタンを留めずに前を開けたまま着こなすハツラツ(死語)女子高生、そのヒラヒラする裾のような…って、妄想ヒドすぎですかそうですか……。。。おTL
ハの字で横へ流れるようなデザインはS15シルビアやR34スカイライン、最終型セリカ、アルテッツアにも見られ、その先駆けをすでに平成初期の段階で行っていたように思えます。
つ〜かニッサンのデザイナーはゼッタイこれに影響を受けたはず!


1−2.スピードガレージG5製フロントバンパースポイラー
写真:鰊 氏のセラ(by ZEP)
以下、現在も発売中の製品になります。
まずは神戸にあるショップ「スピードガレージG5」のフロントバンパーです。古いセラ乗りの間でも「ジーファイブのバンパー」として、永らくオンリーワンだった同ショップ製のリヤウイングとあわせて定番の外装パーツとなっています。ウインカーも純正ノーマルをそのまま使い、外形が少し横へ広がったほかは、純正ノーマルバンパーとあまり変わりはありません。アゴのシャクレ具合が純正よりも大きいのが、あまり言われないG5の特徴と言えましょう。ウインカーは純正ノーマルより上の位置にあがっていますがそのまま同じものを使います。もとあった位置には小型のフォグを設置できる穴がありますが、添付品であるダストマスクを装着することで、ヘッドライトと同サイズ並みの範囲のブラックアウト化を可能としています。中央の開口部は純正ノーマルよりも横方向は小さくなっていますが、ラジエターへの導風に問題はありません。
前述の通り、純正ノーマルから形状としては大きく変わりませんが、セラのスタイリングを崩すことなく異なるフェイスへの変貌を実現します。もしセラが販売されていた頃、現代のようにオプションカタログにエアロパーツがあふれるほど掲載されていたら、間違いなくこのG5のようなソツのないエアロバンパーがいちばん最初のページに採用されていたことでしょう。


1−3.クエストパワー製「モーション」フロントスポイラ
写真:正樹 さんのセラ
セラが販売を終えてからも長い間、製品としての社外の外装部品は上記2種類のみしかありませんでした。しかし、21世紀に入ってから、有志がショップに持ち込む形で実現したのが待望のフルエアロ、「モーション」ブランドでした。そのフロントスポイラーなのですが、ひとことで言えば「スープラ」。左右ヘッドライト間にあるフロントグリルを一体成型とし、前方へ大きく張り出すデザインは攻撃的で、コンパクトでこぢんまりしているセラの印象を大きく変えるものです。
これは文責を負う管理人 総帥の勝手な想像でしかありませんが、どうもこのバンパー、JZA80型スープラの純正バンパーから型を取ったように思えてなりません。穴の開き方が同じに見えるんです。とは言え、それはそれ。大いにアリだと思いますね。事実かっこいいし。
ウインカーもスープラ(前期・後期どちらも可)のモノを使います。が、レンズ部分だけスープラ前期型のを入手して、バルブのソケット部はそのままセラの物を付けると(付いてしまう)、助手席側のソケットがウォッシャータンクに干渉しますので、ギリギリまで前寄りに付けるか、諦めてこの部分もスープラ用のものを入手する、または取付位置自体を検討し直す必要があります。また、ナンバープレートを付けるのに、クエストパワー指定部品であるR32スカイラインGTR用、または汎用のエーモン製等のステーで自作して取り付けます。


1−4.セラフィス製「GEKKOU」フロントバンパースポイラー
 写真:エアロキット試作車
選択肢が増えたように思えたセラのエアロですが、「モーション」のリリースから程なくして、「シューティングスター」のビックワンが閉店し、結局は昔ながらのG5かフルエアロのモーションしかない状況が続いていました。しかしながら、廃車の部品取りから中古品が流通したり、購入できる選択肢が無い故の自作・流用情報がインターネットを通じて広まり、またフルエアロのパーツを部分々々で使用することで組み合わせの妙技を発揮する例が相次ぐなど、個性に富んだセラが次々と、現れては消えてを繰り返す、セラをいじる方法はそんな段階にありました。
しかし、2006年、有志がエアロメーカーに企画を持ち込む形で新たなフルエアロを製作し、同年9月、ついに発売されました。ブランドは「GEKKOU」といい、モーションが前・後・横3点のフルにリヤウイングが追加されたのに対し、こちらは前後横にフロントリップ、アイライン、ボデー固定のリヤウイング、ハッチエンドカバー、テールレンズガーニッシュなどを一挙同時にリリースという至れり尽くせりのパッケージ。
そのフロントバンパーですが、ビックワン製がハの字型ぽかったのに対し、こちらは言うなれば逆ハの字で、下へ向かって絞り込まれていくタイプ。VIP系、ラグジー系の大型セダンが採用するようなデザインです。モーション同様にフロントグリルを一体成型…というか、こちらは完全にスムージングしてあり、また大きく前方に張り出す前端部とあわせてボンネットとの連続性を強調します。基本的に大開口部が左右の端から端に渡って開いているだけで、ヘッドライトのセンター側エンド部の位置でパーティションが降りてきているような、意外とシンプルデザインです。ウインカー、ナンバープレート共に汎用ステーなどによる固定となります。
ウインカーユニットは別売りでノーマル品は取り付けできず、日産180SX用が推奨とされています。丸形を使ってほしいというのがデザイナーの狙いです。現代の車はモジュール化が進み、ヘッドランプユニットにスモール灯、ハイ・ロー切替式ヘッドライト、そしてウインカーがまるっと組み込まれているものがほとんどですが、セラの時代はウインカーだけが別体でした。このエアロにおいては、セラを少しでも時代に追いつかせるため、そういった独立ウインカーが無いように見せるため、まるでフォグランプのように見えるウインカーユニットを採用したわけです。
また、リップスポイラーを追加で取り付けることができるようになっています。左右端にカナード状に張り出させるのがメインで、中央付近は単純な一線モノになります。
低さに関しては、純正足回りの車両でリップを付けたときの最下端が9センチになるよう設計してあり、ローダウンした場合などは、典型的な「高さが足りない」状態になるものと思われます。(リップスポイラーは基本的にバンパー下端に付属的に取り付けるものであり、最低地上高を計測する際には無視され、バンパーまたは車台構造物(排気系パイピング等)の最下端部で計測します。)



2.サイドステップ(サイドスカート、サイドマッドガード)
続きまして横です。サイドステップは長らくセラ用の製品が作られず、他車用のものを加工してなんとか取り付ける手段が一般的でした。管理人の知る範囲で、AE92レビトレ、同AE111、EG型シビックのものをベースに、相当の切った貼ったで無理して違和感なく装着した例があります。また、未確認ですが、フィアットプント(年式等不明)、MR−Sのものも、加工は必要ですが装着できそうだという話です。いずれにしろこういった流用はすべて現車合わせです。FRPやウレタン素材を加工できる技術と手間が多分に必要となります。長さが短いものを追加で足していくよりは、長すぎるものを短く切って繋ぎなおす方が、加工方法として正解でしょうし、上記のモノもそうしてつくられました。
下記で紹介する製品でもそうなのですが、サイドステップの装着はフロアのジャッキポイントを見えなくしますので、日曜整備などでサイドからジャッキアップする機会が多い場合、はっきり言って装着するべきではありません。デーラー等に点検・整備を依頼する場合であっても、車に触れる前段階で思いのほか時間をとられますので、本題の車両への作業に支障が出ると言ってもいいでしょう(リフトによる)。誰にとっても肉体的・精神衛生上よろしくありません。このような面倒くささやデメリットを覚悟した上で、本当に付けたいかどうか、よく考えて欲しいところです。


2−1.クエストパワー製「モーション」サイドスカート
写真:むー さんのセラ
モーションのサイドスカートは初めての専用設計品であり、フィット感はさすがのものです。二本のラインがドア開口部のすこし後ろでクロスするような感じで、フロント側はスカート下端をエラ状にシャクれさせて外側へ広げ、リア側はフェンダーアーチをそのままタイヤの前にまで持ち越したようなデザインです。流線型の、スポーツコンパクトに似合うものとなっています。フロント側のマッドガードは取り外し、そのねじ穴を使用して固定します。リア側も同様に固定する必要があるのですが、リアはマッドガードがバンパーについていますので、ボデー側には穴がありません。タッピング等で新規に穴を開けて取り付ける必要があります。サイドシル部分も両面テープで貼り付けます。
セラに限らず、またこのクエストの製品にも限らないことですが、サイドステップは両面テープでボデー側面に貼り付けることが多く、経年や水分、走行時のボデーのねじれのため剥がれてくる場合が多くあります。このクエスト製はドア前後の高い位置まで上がっている部分を両面テープで固定しますが、特にフロント側が、貼付幅が狭いため剥がれやすいです。タッピング等でとめてしまえば剥がれる心配はなくなるのですが、ボデーに穴を開ける勇気が必要です。


2−2.セラフィス製「GEKKOU」サイドステップ
こちらはフロント同様にVIPラグジー系を思わせる、しかしミニバン風な設計です。前後半分で対称な形状みたいです。ヘリの出っ張りはそれほどでもないのですが、下方向への伸びがあり、総合的な高さがモーション以上にありそうです。
特にリア側は、ドア後ろタイヤ前のスペースにダクト状のくぼみを設け、シンプルなデザインにワンポイントを与えると共に、リアバンパーの大胆なデザインと連帯感を表現します。


次ページでリア、ウイング、ボンネットを紹介します。


2007.8.13