セラ改造指南道場 8章 軽量化ノススメ
初期・中期型のマニュアル、スーパーライブ等オプションなしで乾燥重量890kg。コレはあくまで車検証上の話で、改造申請のために陸運事務所へ行くと現車を測定するのですが、1トンの大台を超えそうになるらしいです。それでも、どんな装備のセラであれ、1トン未満か、ちょうどくらいと見て間違いはなさそうです。
同世代のスターレットと比較すると、やはりエンジンが大きいこと、ガラスばかりのデザイン重視であったことから、数十から100キロほども重かったのです。スターレットも時が経つにつれ、安全ボディを採用し、剛性もあがっていきますが、同時に重量増も免れませんでした。EP91のターボでセラと同じくらいと考えて下さい。さらにはヴィッツ。シンプル構造&装備の1000ccなどでようやくセラ並み。1500ccになると900キロ代後半も当たり前に。もちろんカタログスペック(車検証上)の話です。フルモデルチェンジした後はもはや言うに及ばず。なぜコンパクトカーがこんなに大きく重くなってしまったんでしょうか?愚痴はさておき。
セラを軽量化する方法を考えます。その前に、なぜ軽くするか。
単純な話、走りや燃費の向上が目的です。しかし下記に列挙される手段を持ってしても、不便さが増すにもかかわらず、これだけではなかなかその目的は達成されませんで、なんともやきもきします。クルマって本来便利に使えてナンボですから、不便になるくらいなら多少燃費が悪くても(良くならなくても)と考えて当然です。こういうのって積み重ねですから、ちょっとした工夫と我慢が長期的に見るとお得になってきたりしますので、我慢できること、できることからコツコツと、やってみましょう。
無給油でトリップメーターが500をラクに刻むことに喜びを感じられないようなら、次の章へ飛ぶことをオススメします。
前置きが長くなりました。そろそろ本題へ。
1.使わないものは積んでおかない
もうこれ。軽量化の大前提にして、イチバンできていないこと。トランクに放り込まれたままのぬいぐるみ、洗車用具、出番のない工具、遠出に備えたフトン(?)などなど、結構いろんなモノがいつの間にか積み込まれているものです。車上荒らし防止のためにも、ケースに入ったCD等を何十枚もクルマに入れておくのはやめましょう。ボウリングのマイボールやゴルフバッグなんて重いし狙われるし、とんでもないです。使わないなら車載工具やジャッキ、テンパータイヤ(スペアタイヤ)も降ろしちゃってもいい。これ実はもう車検には関係ありません。もしもに備えて、パンク修理キット搭載やJAFなどの道路サービスへの加入はお忘れなく。しかし、備えあれば憂いなし的道具を下ろすのは、やはり勝負時だけにしましょう。
ごちゃごちゃした荷物なんかで5kgくらいはあるんじゃないでしょうか?
2.リアシートについて
セラの後部座席ってほんとうに狭い。しかも、人を乗せることに使う機会は少ないでしょう。リアシートは荷物置き場だという人はきっと多いと思います。概算実測でリアシートは背もたれと座面で14kgあります。使わないのにこんなのを載せたままにしといたところでメリットは何もありません、さっさと外しちゃいましょう!……というわけにはいかないのが国の壁。車検証に乗車定員4名となっている以上、4人が乗車できる状態であり続けることが求められます。逆に、定員2名への改造が認可された場合、ほぼ間違いなく後部座席分の2名を削りますから、リヤシートを取り外してしまう必要があります。2名を超える人数の乗車ができてはいけないわけです。
普通のセラでは、サーキットを攻めるときくらいしか、堂々と外す機会はないと思います。
3.内装を取っぱらう
内装もシート同様に、やりたい放題とはいきません。すっかり外してしまうと鈑金むきだしのスパルタンなボデーとなるわけですが、この状態ではもし事故等で衝突したりされたりした場合、乗員保護が期待できません。そもそも衝突安全とは、シートベルトやエアバッグだけでなく、こういった内装トリム等も正常に存在するという前提で設計されるモノです。そして4人乗車する以上、その4人の前後左右上下にわたって、ボデーむき出しでない、何らかの相応な内装部品が取り付けされている必要があります。まあダイハツのネイキッド、スズキのツインなど例外はありますが…。
ということで、内装ナシで済ませられるのはトランク部の前後と左右と、スピーカーボードくらいしかないということになります。とくに左右の位置は、無い状態だとリヤサスの取り付け部が丸見えになりますので、リヤタワーバーも取り付けしやすいですし、頻繁に足回りをいじるという方にはありがたいのではないかと思います。しかし、この部分をなくすと、必然的にシートバック後ろとトランクの境目となる、ルームパーティションボードと、上側のスピーカーボードを固定する部分もなくなりますので、いっしょに撤去、ということになります。
さらに、トランク後ろ部分、このクルマの中で最も後端に位置する内装パネルですが、テールランプへの配線や、ナンバー灯のハーネスを隠すように取り付けられています。この部分がないと、トランクに鋭利な物や結構な重量物を入れておいた場合、走行中の振動で搭載物が動き、ハーネスを傷つけたり押さえつけられることで断線することがあります。こういった車両ハーネスは一部分だけの供給がされないので、リペアができなければ公道走行不能にまでなることも。というわけで、この部分の内装はつけたままにしておくのをオススメします。
そしてさらに、カーペット。外して持ちあげたことありますが、10キロ弱はある感じです。究極は、アンダーコートはがし。カーペットの下、シャシーの床面ですね、そこには走行音改善のためのアスファルトシートが塗装前の段階で貼り付けてあります。トランク床面にもあります。ガチガチに固まっていないので、金物のヘラでザクザクめくり取ることができます。10数キロ変わるらしいですが、走行中、助手席の人との会話も厳しかったり、小石の飛び跳ねレベルでビックリするくらいの音がするらしいです。普段使うクルマがやることじゃないです。
4.軽いものや、代替品に交換
インチアップなんて御法度、ホイールを軽いものにするほか、シートなんかも軽いフルバケに交換してみよう。ボンネットをFRPやカーボンにするのも効きます。タイヤだってモノによって重さが違います。BSって他と較べてちょっと重いらしいです。それに幅広タイヤはどうしても重くなります。バッテリーも小さければ当然軽いですが、最低限走るのに問題ないレベルはキープで。エンジンだって4E−FEがイチバン小さくて軽いでしょう(笑い)。ラジエターもアルミ製にすれば軽くなります。さすがに構造上重量がなければいけない部品や、どうにも軽くすることができない部品(エンジンやガラス)もあります。
なので、トータルバランスで良くなるように、軽くできる部品だけでもやってみる。
5.エアコンもオーディオも要らない?
普段はガレージに仕舞いっぱなし、足は別の車、たまにサーキットを走るだけ。こんなナンバーなし車両なら、この手もおおいにアリでしょう。さすがに普段から使うクルマでは、そこまではやれないですね。
全部はずせばフロントが10〜20kgくらいは軽くできるのでは?
街乗りセラでエアコンなしはかなり厳しい……。真夏にエアコン壊れた方は分かっていただけるでしょう。あれにはまいった。ウン。
6.痩せましょう
850kgに軽量化したセラに100kgの巨漢が乗っていては、890kgの車体に60kgの人が乗るのと変わりません。車を10kg計量化するのもあちこち考えないといけませんが、自分を10kg軽量化するのもアリです。
まとめますと、ドレスアップと両立したり、快適性を損なわずに軽量化もしちゃうってのが第一であり理想。公道を走らないサーキット専用車などは、走る曲がる止まるだけがしっかりできるよう、内装等も。
2006.6.4